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京都はル・オンの庭
ル・オンの庭では、四神が東西南北それぞれの方角を守護しています。
四神とは、古代中国より伝わる方角を司る霊獣です。
東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武は、FF11のプレイヤーにはお馴染みですね。
これら霊獣は、土地の象徴的なシンボルを表します。
青龍は清流、清らかな川の流れは良い氣を循環させ、悪い氣を外に流します。
朱雀は海や池、水の溜まるところに良い氣が溜まります。
白虎は街道、交易で様々な物資が入ってきます。
玄武は山、悪い氣が入ってくるのを防ぎ、良い氣が出ていくのを防ぎます。
実は、京都もル・オンの庭と同じ構造をしています。
青龍、朱雀、白虎、玄武がそれぞれの方角を護っています。
京都で四神と麒麟をめぐってきました!
四神相応の都市、京都
遣隋使や遣唐使で中国の思想や文化から大きな影響を受けた中世の日本では、都市は風水の四神相応 (しじんそうおう) と言う考え方を基に建設されてきました。
風水は古代中国で発展した、都市、住居、建物、墓などの位置の吉凶禍福を決めるための、気の流れを物の位置で制御する技術です。風水は方角と位置が重要なのです。
山川道澤がバランス良く配置されている土地が、風水的には最高の土地とされています。
日本の風水における四神相応の根拠は、平安時代に書かれた日本最古の庭園書である「作庭記」にあると考えられています。
次のように記されています。
三十二、樹事
人の居所の四方に木をうゑて、四神具足の地となすべき事経云、家より東に流水あるを青龍とす。若しその流水なけれバ、柳(ヤナギ)九本をうゑて青龍の代とす。
西に大道あるを白虎とす。若しその大道なけれバ、楸(キササゲ)七本をうゑて白虎の代とす。
南側に池あるを朱雀とす。若しその池なけれバ、桂(カツラ)七本うゑて朱雀の代とす。
北後にをかあるを玄武とす。若しその岳なけれバ、檜(ヒノキ)三本うゑて玄武の代とす。
かくのごときして、四神相応の地となしてゐぬれバ、官位福禄そなはりて、無病長寿なりといへり。
上記の記述は、流水や大道が無ければ代わりに木を植えよと言っていることから、家を建てるときに土地の吉凶をみる「宅地風水」のことを言っているように見えます。
それを大規模な「都市風水」に当て嵌めて良いのかと言う疑問は残りますが、少なくとも四神相応の考え方は平安時代には既に定着していたことは間違いなさそうです。
京都は「鳴くよウグイス平安京」で知られるように、西暦794年に建設されました。
この時の土地選びは風水の四神相応に準じていたようです。1200年以上前の日本で、風水士たちが大活躍していたのですね!
アドゥリンの街は、ララ水道そのものが巨大な羅盤として設計されましたが、京都は東西南北の通りが碁盤の目になっていることから、もしかしたら京都も巨大な羅盤なのかもしれません。風水に詳しい人がいたら解説を願いたいですね。
京都を四神相応に当て嵌めると、次のようになります。
東の青龍 | 鴨川(かもがわ) |
南の朱雀 | 巨椋池(おぐらいけ) |
西の白虎 | 山陰道(さんいんどう) |
北の玄武 | 船岡山(ふなおかやま) |
京都はル・オンの庭だったのです。
東京方面から来るときは青龍が出迎え、大阪、岡山、博多方面から来るときは朱雀が出迎えます。東と南の守護神への敬意を忘れないようにしたいものですね。
京都五社めぐり
京都には、四神と最高の霊獣である麒麟を象徴する神社が5つあります。
東の青龍:八坂神社(やさかじんじゃ)、南の朱雀:城南宮(じょうなんぐう)、西の白虎:松尾大社(まつのおたいしゃ)、北の玄武:上賀茂神社(かみがもじんじゃ)、そして中央の麒麟:平安神宮(へいあんじんぐう)です。
五社めぐりの公式パンフレットもあります。
この5つの神社では御朱印が頂けます。初穂料とあわせて1000円を収めると専用の色紙を頂けます。
各神社での御朱印は、初穂料300円になります。
それぞれの神社を巡って5つの御朱印を集める旅は、とてもとても楽しいものです。
これらの神社には、いわゆる四神像のようなものは祀っていません。神社そのものが四神なのですね。春石、東玉などのセットを持って行けばもしかしたら・・・
そして京都を守護する結界とも言えるこれらの神社は、強力な霊力を湛えたパワースポットでもあります。開運厄除、商売繁盛、学業成就、恋愛成就、子孫繁栄などなど、五社をめぐればありとあらゆる御利益にあずかれそうですね!
東の青龍、八坂神社
地下に龍が眠る池があるとされています。
八坂神社の奥に広がる円山公園(まるやまこうえん)は、荘厳な枝垂れ桜が今もなおその存在感を示しています。
もしかしたら、この枝垂れ桜が青龍の化身なのかもしれません。花見の季節には、この枝垂れ桜は神々しいまでに満開になります。
創建は諸説あり、西暦656年とも876年とも言われています。
祭神は素戔嗚命(スサノオノミコト)。日本神話における男神 伊邪那岐命(イザナギノミコト)と女神 伊邪那美命(イザナミノミコト)の子、天照大神(アマテラスオオミカミ)、月読尊(ツクヨミノミコト)、蛯児(ヒルコ)に次いで4番目の子とされます。
南の朱雀、城南宮
かつてこの地には広大な巨椋池(おぐらいけ)が広がっていました。昭和初期の干拓事業で、池は農地に変わってしまい、今はかすかな面影が残るのみとなっています。
池は無くなっても、朱雀はこの地を守護していると信じたいものです。
創建は西暦794年。つまり平安遷都に合わせて創建されました。
祭神は国常立尊(クニノトコタチノミコト)、八千矛神(ヤチホコノカミ)、息長帯日売尊(オキナガタラシヒメノミコト)。
国常立尊は「日本書紀」では天地開闢の際に出現した最初の神とされています。
西の白虎、松尾大社
松尾大社は平安遷都以前から存在する、京都で最も歴史ある神社です。縁結びのほか、お酒の神様としても知られ、現代では酒造メーカーがこぞって奉納しています。
創建は西暦701年。
祭神は大山咋神(オオヤマグイノカミ)と市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)。大山咋神は素戔嗚命の孫、市杵島姫命は海上守護の霊徳を仰がれた神とされています。
白虎おみくじがありましたので、ひいてみました。
この年末は白虎の御利益に恵まれていますね。
北の玄武、上賀茂神社
上賀茂神社、またの名を賀茂別雷(カモワケイカヅチ)神社と言い、京都で最も歴史ある神社のひとつです。
創建は諸説あり、白鳳6年(西暦678年)とも文武2年(西暦698年)とも言われます。平安遷都以前から存在する、格式高い神社です。
祭神は賀茂別雷大神(カモワケイカヅチノオオカミ)。森羅万象に神を見出す日本人の感性は、他の多神教の国、雷神トールや巨神ユミルを見出した北欧のヴァイキングに通ずるものがあるのかも知れません。
雷の神様であることから、メカにつよく、なんと車のお祓いまでやってもらえます。
自動車産業や航空産業の信仰者も多いのだとか。
中央の麒麟、平安神宮
平安京を建設された桓武天皇(西暦737年~806年)を祭神として、明治28年、1895年の3月15日に平安遷都1100年を記念して創建されました。意外にも、創建から100年少しの新しい神社です。
歴史は浅くても、平安京を建設された桓武天皇が祭神ですので、その霊力はとても強いものでしょう。麒麟の一人称が帝を表す「朕(チン)」であることからも、平安神宮を麒麟とするのに不足はありませんね。
巨大な朱色の鳥居!
五社めぐりオススメルート
京都市の地図を開いてみると分かりますが、けっこう広いです。
御朱印メインで進めるなら1日で回れますが、各神社には庭園など見どころがたくさんあるので、じっくり回りたいものです。
神社から神社への移動が1時間以上かかることもあるので、2日くらいに分ける方がじっくり見て回れます。神社はだいたい夕方4時で閉まります。
五社めぐりはどこから行っても良いですが、2日でめぐるなら次のグループにすると比較的スムーズにいけます。
市バスと地下鉄の乗り放題チケットを購入すると良いでしょう。1日乗り放題と2日乗り放題があります。旅行プランに合わせて選んでください。
京都市バス・地下鉄ガイド:地下鉄・バス一日乗車券
京都駅には地下改札付近に1日乗り放題の自動販売機があります。他の駅では、窓口で購入します。
南・西・東・中央:城南宮~松尾大社~八坂神社~平安神宮コース
城南宮、松尾大社、八坂神社、平安神社をめぐります。
城南宮へは、京都駅から地下鉄で竹田駅まで移動してから市バスを使うのが最も手軽です。
竹田駅から南1、南2、南3に乗って3つ目の「城南宮東口」で下車します。
城南宮から松尾大社へは、いったん京都駅まで戻り、C6乗り場から28系のバスで移動できます。所要時間は40分です。
松尾大社から八坂神社へは、阪急電車を利用するのがお手軽です。阪急松尾大社駅から、桂駅で乗り換えて京都河原町に行き、徒歩で八坂神社へ向かいます。
八坂神社から平安神宮へは、徒歩で行けます。寺院の集中する地区ですので、古風な雰囲気を楽しみながら移動できます。
北:上賀茂神社コース
上賀茂神社は京都のかなり北にあります。京都駅から行くなら、地下鉄で北大路(きたおおじ)駅まで出てからバスに乗るとスムーズに行けます。あるいは、少し時間はかかりますが北山駅から川沿いを歩いて行くのも良いでしょう。景色が綺麗です。
余った時間は、加茂川の河原をまったり歩いて下ると気持ち良いですね。川のせせらぎは心を落ち着けてくれます。
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遠方の方は、パックツアーを利用するとお得ですよ!
以上、京都でトゥー・リア四神めぐり でした!